コンクリートの3次元温度応力解析

1.概要

土木学会のコンクリート標準示方書[施工編]では、広がりのあるスラブについては厚さ80~100cm以上、また、既設コンクリートにより下端が拘束された50cm以上の壁部材を「マスコンクリート」として規定しています。このようなマスコンクリートを構築する際、セメントの水和熱および環境温度の変化に伴う体積変化に起因するひび割れが、構造物の要求性能(安全性、使用性)に影響を及ぼさないことを確認しておく必要があります。

弊社では、施工を開始する前に実際の条件で施工した場合のひび割れ発生の可能性を「マスコンクリートの3次元温度応力解析専用プログラム」により照査し、要求性能を損なうようなひび割れの発生が予測される場合には、ひび割れの制御対策を検討します。

2.特徴

施工前に解析を行うことで、ひび割れ発生確率、コンクリート温度・応力・ひずみの経時変化、貫通ひび割れか表面ひび割れか等の予測ができます。解析結果をもとに、打設リフトの変更、養生方法、膨張材の使用、ひび割れ誘発目地設置等のひび割れ制御対策を事前に検討することができます。

自社で解析することにより、コンクリート打設スケジュールや使用するコンクリートの変更等、施工条件の変化に柔軟に対応することができます。

3.フローチャート

4.解析から検討までのプロセス